日本の文化を象徴するフレーズが「いただきます」と「ごちそうさま」。これらをポルトガル語にしたら一体どうなるのでしょうか。様々なニュアンスに分けて紹介します。
そもそもポルトガル語で「いただきます」と「ごちそうさま」って言えるの?
結論から言うと、日本語の「いただきます」と「ごちそうさま」に相当する言葉はないです。そもそもそういう文化がないからね。それを踏まえたうえで直訳風とブラジル風に言うとどうなるかを紹介していきますね。
1、Bom apetite!
「どうぞ召し上がれ」、「よい食事を」
通常、これから食事を食べようとしている人に対して言うフレーズ。直訳すると、「いい食欲」という意味になりますが、食事を楽しんでくださいね、といったニュアンスになります。
日本語の「いただきます」とはだいぶ離れていますが、ときどき日本映画などのポルトガル語字幕では、「Bom apetite」が「いただます」として用いられることがあります。
ちなみにネットフリックスの「リラックマとカオルさん」のポルトガル語字幕でも「Bom apetite」と訳されています。
ちなみにこうした日本語的な表現をポルトガル語でどういうのかを知るには、日本映画やアニメのポルトガル語字幕を参考にするといいです。
特にネットフリックスは、世界各国の字幕があるので、勉強にはもってこいですよ。
2、Vamos comer!
「さあ、食べましょう」
それぞれが席について、さあ食べようというときの食事の合図。最も自然で、実際に使われる「いただきます」がこれです。単語もいい方もシンプルでいいと思います。
日本語の「いただきます」との違いは、それぞれが言うのではなく、誰か一人が号令のように言い、それに対して他の人が「Vamos」と応じる点でしょうか。
3、Senhor, abençoe o precioso alimento que coloca na nossa mesa….
もうちょっと宗教的な家庭になると、食前にキリスト教のお祈りを捧げる家族もいます。
こちらの動画では食前のお祈りを紹介しているので、見てみましょう。
Senhor, abençoe o precioso alimento que coloca na nossa mesa, que ele nunca nos falte.
Mas, principalmente, não nos falte a sua presença, que é o alimento e bebida que nos conduzem à vida eterna e reserva, Senhor, um lugar no teu reino para aqueles que morrem de fome e de sede em todo o mundo.
「神よ、どうか食卓に並ぶ私たちの大切な食事が決して不足しないようお守りください。
特に、私たちを永遠の生命へと導く食糧と飲み物である、あなたの存在が不足しないようお守りください。
そして、神よ、どうか世界中で飢餓や喉の渇きで亡くなる人たちのために、あなたの世界の場所を確保してあげてください」
さすがに全文暗記する必要はありませんが、中にはこういうお祈りをする人もいるよ、というのは知っておいても損はないでしょう。
単語の意味
- Senhor 主、神、キリスト
- abençoar 加護する、祝福する
- faltar 不足する
- alimento 食べ物
- bebida 飲み物
- morrer de fome 飢餓で死ぬ
- morrer de sede のどの渇き(脱水症状)で死ぬ
4、Obrigado pela comida/refeição
「ごちそうさまでした」
食後に言うフレーズ。食事に対して、あるいは食事を与えてくれた人に対して使える言葉です。主に誰かの家にご飯を食べに行ったとき、誰かにごちそうになったときなどの状況で使えます。
それに対し、自分の家で家族で食べるような場合には、あまり言わないです。ちなみに映画やアニメなどでも「ごちそうさま」にはよくこの訳が使われます。
5、A comida estava muito boa!
「(食事は)とても美味しかった!」
もし料理を作ってくれた人に感謝を告げたい場合は、「ありがとう」という代わりに「美味しかった」と誉めてあげることで、相手も喜びます。
「boa」の部分はもちろん、「deliciosa」、「gostosa」などほかの形容詞を置き換えることも可能です。
Dona Maria, a comida estava muito deliciosa. マリアさん、食事はとても美味しかったですよ。
Obrigada! ありがとう
まとめ
以上、ポルトガル語の「いただきます」と「ごちそうさま」でした。同様の表現がない中でも、ブラジル的な表現を覚えておくと、会話の選択肢が広がるかと思います。
「いただきます」も「ごちそうさま」も結局大事なのは感謝の気持ちを伝えることです。それさえ忘れないでおけば、きっと気持ちのいい会話ができるはずです。
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