即席ラーメンで知られる日清食品ブラジルの浅野隆司社長が同社のユーチューブ動画で突如ブラジルの国民に謝罪しました。そこには以外な背景が。100万回再生を超えた人気動画を解説します。
まずは動画をご覧ください。
ポルトガル語
Meu nome é Takashi, presidente da Nisshin Foods do Brasil.
Por 53 anos, acreditavamos que sabíamos cozinhar o Lámen Perfeito, mas vocês descobriram muitas outras formas de preparo.
Reconhecemos, não sabemos cozinhar o Lámen Perfeito.
Por isso, pedimos a vocês, brasileiros, nossas sinceras desculpas.
Continuem cozinhando do seu jeito.
日本語訳
私の名前はタカシ、日清食品ブラジルの社長です。
私たちは53年間、”完璧なラーメン”の作り方を知っていると信じてきました。
しかしあなた方はたくさんの作り方を発見しました。
そこで私たちは(非を)認めます。私たちは”完璧なラーメン”の作り方を知りません。
そのためあなた方ブラジル人に心から謝罪申し上げます。
これからも自分の好きなように(ラーメンを)作ってください。
日清食品ブラジル謝罪動画の解説
この動画は日本の謝罪文化をネタにしたパロディーともいえるキャンペーン動画です。日清食品ブラジルは、「A busca pelo Lámen Perfeito 完璧なラーメンの追求」というキャンペーンを打ち出しており、その一環として製作されたのがこの動画だったのです。
ちなみに最初に公開された動画は、完璧な分量でラーメンを作ることのできるラーメンロボとブラジルの一般人が作るラーメンではどっちが美味しく作れるのか、というのをテーマに制作されています。
ブラジル人の中にはラーメンのお湯を全部捨てて食べたり、フライパンで炒めたりする人までいて日清食品が推奨する作り方を素直に追う人はほとんどいません。
日本人にとっては邪道な食べ方でも自由なブラジル人にとってはそれぞれ独自のラーメンの食べ方があるのでした。
そして実験の結果、ブラジル国民はロボットが料理したラーメンよりも、ブラジル人が料理したラーメンのほうが好む傾向にあるということが分かっています。それに続く動画として前述の謝罪動画が公開されたわけです。
もちろん全てはプロモーションなのですが、日本人の中にはラーメンとはこうあるべきだ、という頑固な人が少なくないのも事実ですよね。謝罪についてはもしかすると日清食品の方針が間違っていた、という本音の気持ちも多少含まれているのかもしれません。
いずれにしても浅野隆司社長本人がつたないポルトガル語で謝罪をしたことでブラジル人にはかなり好印象を与えたようです。ポルトガル語が上手いか下手かは別として自分の言葉で伝えることの大切さを物語っているかのようです。
この動画は様々なメディアにも取り上げられ、宣伝としては大成功だったんじゃないでしょうか。それにしてもブラジル人社員が勢ぞろいして頭を下げている様子はなかなかシュールですね。
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