ポルトガル語を勉強していく中で、なにかと辞書を引いたり、翻訳したりすることが増えてくると思います。しかし自分の翻訳が果たして正しいのかどうか疑問に思うこともあるかと思います。
日本語、またはポルトガル語にはない表現はどう訳したらいいのか。どうしても自然な訳にならない。などなど悩みの種は尽きないでしょう。そんなときのために知っておくべき6つのことをまとめておきましたので、参考にしてください。
1、理想は日本語ーポルトガル語を訳さないこと
翻訳するための6カ条といいつつ、理想は訳さないこと、なんて身も蓋もない話ですが、他人のために翻訳するのはともかく、自分が理解するためにいちいち日本語に翻訳するのが癖になっていたらすぐに直しましょう。
語学を覚えるうえで一番大事なのはこれだと思います。ポルトガル語に限らず、外国語を覚えるためには直接その言語で覚えるのが一番なのです。海外の英語学校の中には授業中に母国語を話すのを禁止する学校などがありますが、分からないながらも英語だけでやりとりすることに意味があるからです。
訳すと、その過程で必ず意味、ニュアンス、文化が失われます。例えば日本語の「すみません」をポルトガル語に訳そうとすると「desculpa」などの単語が思い浮かぶと思います。
しかし日本語の「すみません」には時と場合によっては「ありがとう」の意味が含まれていたりもするのです。先輩が後輩にお酒を注ぐと後輩が「すみません」と言う。外国人からしたらそれは「ありがとう(感謝)」なのです。つまり大事なのは言葉そのものの意味よりも、話し手や文章の意図を理解することです。
ポルトガル語でも「obrigado」が変わった使われた方をする例があります。なにか食べ物などを勧められて「結構です」と断るときに、「obrigado」という人がブラジルには多くいるのです。
これは「Não, obrigado」の「Não」を省いてる表現で、大変ややこしいです。人によっては「ありがとう」と言って、喜んで食べ物をもらったりするので、表情やイントネーションで話し手の意図を理解するしかありません。
2、日本語ーポルトガル語の翻訳は他人のためにすること
自分の頭を整理するために辞書で言葉を調べたり、文章を翻訳したりすることもありますが、基本的には翻訳は他人のためにする作業です。
他人と一言にいっても友達であったり、家族であったり、学校であったり、企業であったり、また日本人であったり、ブラジル人であったり、と対象は様々でしょう。誰のためにする翻訳、あるいはなんのための翻訳なのかを考えたうえで、それに合った表現や言葉使いにしましょう。
例えばブラジル人に日本の諺をそのまま訳しても通じません。そんな場合はブラジルにある似た意味の諺などを例に出して訳してあげると分かりやすくなるでしょう。また、翻訳するとどうしても文章が堅苦しくなります。若者向けの翻訳の場合には、できるだけ砕けた表現を使いましょう。
3、日本語ーポルトガル語の翻訳で必要なのは日本語力
日本に住んでいる場合、ポルトガル語から日本語に訳す機会のほうが、その逆よりずっと多いはずです。ポ語>日本語翻訳にポルトガル語力が必要なのは言うまでもありませんが、実はそれよりももっと大事なのは日本語力です。
日本で生まれ、育った人にとっての母国語は日本語です。ある程度の年齢に達していれば、後からどれだけ外国語を覚えたとしても日本人の外国語のスキルが日本語力を上回ることはまずないでしょう。
逆に言うと、日本語力がないと、外国語力も自然と低くなってしまうのです。より自然でより正確な翻訳をするためにも日本語の本を毎日読むような習慣をつけましょう。また、ポルトガル語から日本語に翻訳をしていくと日本語力が自然に伸びていきます。外国語を勉強するということは、実は日本語の勉強をするということでもあるのです。
4、ポルトガル語のスペルチェックを欠かさないこと
日本語>ポルトガル語に翻訳する場合、誰でもスペルミスをしてしまうことがあるはずです。そもそも外国語のスペルの暗記の仕方には人によって色々な方法があると思います。
例えば、「amigo」ならA、M、I、G、Oというアルファベットの順列を覚えることで頭に入れる人が一般的ではないでしょうか。そこで日本人にお勧めしたいのは順列ではなく、フォームで覚える方法です。漢字の「山」を覚える際に、山の絵を見て覚えるあの感覚を外国語にも取り入れるのです。
上の画像にあるように、それぞれの単語の文字全体、強いて言えば文字を囲う白い枠のフォームを覚える感覚です。そうすることで、スペルミスは大分少なくできます。さらにミスを減らすにはポルトガル語のスペルチェッカーを使いましょう。
Flipが提供しているスペルチェッカーはポルトガル、ブラジルのいずれのポルトガル語にも対応しています。使い方は簡単。単語や文章を入力して「Verificar Texto」をクリックするだけ。
「amigo」を誤って「amige」と入力したら、正しい単語を提案してくれます。
5、あらゆるリサーチ手段を備えておくこと
翻訳するうえで語学力と同じくらい大切なのはリサーチ能力です。文章が専門的になればなるほど、その力が問われます。現在ではインターネットの普及により、知らない分野のことでも気軽に調べられるようになりました。
翻訳をするうえでインターネットはもはや欠かせないツールです。そしてその基本的な検索の知識や操作も覚えておくべきです。
グーグルを使ううえで、特定の言語や地域、時間を指定するなどの検索オプションを上手く利用しましょう。また、ネットがあるからといってネットの情報ばかりに頼りすぎることなく、辞書、専門書、資料など便利な紙媒体も常に用意しておきましょう。
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6、それでも分からないときはプロの業者に頼むこと
個人の翻訳ならその必要はありませんが、特に仕事で翻訳が必要な場合、自分の専門外のことはどうにもならないことが多々あります。どれだけリサーチしても、翻訳できそうにないと思ったときは、プロの翻訳に頼むのがいいでしょう。
どこの業者か迷っている場合には自分に合った翻訳業者を探してくれる比較サイトもあります。ここも無料で問い合わせができるので気軽に利用してみてください。
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