普段ブラジル人が何気なく使う表現でも、実はあまり聞こえがよくない表現が多々あります。以前、「ブラジル人が誤用しがちのややこしいポルトガル語の単語集」を紹介しましたが、今回はこれを使ってしまうと、あまり賢く聞こえない、特に子供がよく使い大人に注意されるような表現を紹介します。
1、subir para cima
「subir」自体に「上がる(上に行く)」という意味が含まれているため、わざわざ「para cima(上に)」を使う必要はありません。一つのフレーズに重複した意味が含まれると、聞こえが悪くなります。
2、descer para baixo
1、と同じ理由で、「descer」自体に「下がる(下に行く)」という意味が含まれているため、わざわざ「para baixo」を使う必要はありません。
3、mais melhor
「melhor」も同様にそれ自体に「~より優れている」、「~よりいい」といった比較の意味が含まれているため、「mais(~よりもっと/~よりさらに)」を使う必要がありません。
4、menos pior
「pior」も同様にそれ自体には「~より劣っている」、「~より悪い」といった意味が含まれているため、「menos」を使うと、矛盾が生じます。なぜかというと、「pior」はいわば「mais(さらに)」に「mal(悪い)」、あるいは「mais(さらに)」に「mau(悪い)」を足したものに相当するわけで、これに「menos(~より少ない/~より劣る)」をつけると、「menos~より劣る」+「mais(さらに)」+「mal/mau(悪い)」になって意味不明になるからです。
5、entrar para dentro
「entrar」は「入る」という意味ですが、「入る」ということはそれだけでどこかの中に入ることが分かるため、「para dentro(中に)」を使うと重複して聞こえます。
6、sair para fora
5、と同じで「sair」は「出る」という意味ですが、「出る」ということはそれだけで外に出ることが分かるため、「para fora(外に)」をわざわざ使う必要がありません。
7、repetir de novo
「repetir」は「リピートする」、「繰り返す」という意味ですので、「de novo(再び)」をつけると、「再び繰り返す」と重複した意味になり、聞こえが悪くなります。
8、ganhar grátis
ganharはこの場合「もらう」という意味になり、もちろんもらうということは「タダ」なわけで、「grátis タダ/無料」をつける必要がありません。
9、conclusão final
直訳すると、「最終結論」となります。「conclusão 結論」自体が最後に出すものなので、「final 最後」は不必要です。
10、conviver junto
直訳すると、「共に共存する」という意味になります。この場合、「junto(共に/一緒に)」は必要ありません。
ちなみに以上に挙げた文のことを文法用語では「redundância(繰り返し冗語法)」というそうです。子供がこれらの文を使うならまだしも、大人が使うと大変滑稽に聞こえてしまいがちなので、くれぐれも注意しておきましょう。
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