ポルトガル語では「ありがとう」というとき、男性なら「obrigado」、女性なら「obrigada」というのが普通です。
では「muito」をつけたらどうなるでしょうか。男性は当然「muito obrigado」になりますね。それに対し、女性は「muito obrigada」と言います。
あれ、でも待ってください。なんで女性なのに「muita obrigada」と言わないんでしょうか。この記事ではその理由についてお話します。
ポルトガル語のルールからいって女性は「muita obrigada」というべきなんじゃないんですか? みんな「muito obrigada」って言うのはなんでなんですか?
とてもいい質問ですね。これは言語に性別を持たない日本人にとってはかなり紛らわしいですよね。では「muita obrigada」とはいわない理由を掘り下げていきましょう。
1、副詞としてのmuito
1、Ela é uma pessoa muito forte. 彼女はとても強い人です
2、Elas são pessoas muito fortes. 彼女らはとても強い人たちです。
3、Suzana é muito bonita. スザーナはとても美人です。
4、Maria dormiu muito. マリーアはたくさん寝ました。
副詞としてのmuitoは無変化で女性どころか複数形も存在しなのがポイントです。この場合は常に「muito」となります。
2、代名詞としてのmuito
1、Você tem muita sorte. あなたはとてもラッキーです。
2、João comeu muita pizza. ジョアンはピザをたくさん食べました。
3、Tem muitas motos na rua. 道にはバイクがたくさんあります。
4、O terremoto destruiu muitas casas. 地震がたくさんの家を破壊しました。
この場合のmuitoは「不定代名詞」なのでそれに続く名詞の性別、または単数か複数かによって変化します。
まとめ
先生によっては「とても」など「度合」を表す「muito」は無変化で、「たくさん」など「量」や「数」や「質」を表す「muito」は変化すると説明する人もいます。
ただし、そのカテゴライズの仕方だと全部にはあてはまらなかったり、日本語に訳したときには真逆になったりすることがあるので注意が必要です。
それよりは名詞の前に来る「muito」は変化する、それ以外は変化しないと覚えたほうが確実でしょう。
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